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《第3回 ロボットリハビリテーションの有効性》

 AssistMoionのメルマガにて連載中の田中恩先生のコラムを掲載しております。

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 今回はロボットリハビリテーションの有効性についてお話ししたいと思いますが、読者の皆さんは「有効性がある(高い)」というのは、何で判断していますか?介入の前後で差がある・・・歩行スピードが上がった。歩容が良くなった。長く歩けるようになった。データを比較して(統計解析)有意差がある・・・効果がある!という考え方が一般的かと思います。しかしながら、ロボットが有効だったと明確に示すことは困難です。その他の機器も同様だと思いますが、ロボット以外の要素を除外できないからです。

 ここで逆説的に「有意差が出なかったから有効な手段ではない」のでしょうか?有意差が出なくても、患者・利用者の満足度やモチベーションを高めることに繋がれば効果があると言えるのではないでしょうか。

 前回「ロボットリハビリテーションとは」の中でロボットリハビリテーションの有効性についても少しお話しました。ロボットとセラピストが役割分担をすることで運動学習を促すことにつながるのではないかというものです。

 しかし、ただ単に運動を繰り返せば運動学習になるのか…というと運動を繰り返すだけでは運動学習にならないと思います。運動の反復+@が必要です。ここで+@となるのが、セラピストによるハンドリングや声掛けなどで脳へ刺激を入れること、新たな気付きを促すことでありこれが重要となります。

 ロボットを併用することでセラピストでなければできない練習を提供しやすくなります。例えば、歩行時に数カ所サポートしなければならないときにロボットと分担するという使い方です。より繊細なアシストやサポートにセラピストが集中できます。

 とはいえ、ロボットを使えばリハビリテーションの効果が上がるというものではありません。セラピストがどう活用するかが有効性を引き出すポイントとなります。「ロボットが有効だったら導入を検討する」という病院・施設も多いかと思いますが、効果があるかどうかは、誰がどう関わるかということも大きく関係します。

 より効果的なリハビリテーションを提供するにはロボット使用に関する情報共有が必要です。curara®のユーザーミーティングは情報共有の場として最適です。このようなミーティングの場を活用してスキルアップにつなげてもらえたらと思います。また我々が活動している「日本ロボットリハビリテーション・ケア研究会」は情報共有の場となることを目的に運営しております。興味を持たれた方はこちらのページを覗いていただけますと幸いです。


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